日本の「和」テイストを海外のなにかに取り入れるというと、
あの柄や、絹の素材感などが目立つことが多い気がします。

あと、妙に東洋的というか、オリエンタルというか・・・
日本人よりももっと日本ぽい、違う何かのようにみえることもあるくらい。

先に、日本の若いデザイナーが和をモチーフにして発表した、
ショーのファッションのいくつかは、
そういったものとはまた趣が違って、
和の本質をきちんと見つめなおしたような質感だったといいます。

レポートをしている方が、「布の揺れ方が美しくない」と書いていましたが、
そういう見方もあるのかと思いました。

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日本の若いデザイナーが「和」をモチーフにする例はこれまでにも少なくはなかった。しかしたいていは、まるで外国人のように「和」をエスニックのひとつとして取り挙げてみたような感じだった。それと比べて今回の「和」は、各デザイナーが自分の心の底を改めてじっくりと見つめ直そうとしたことから生まれた表現のように思える。

 グローバル化の行き着く果てはどこにも差のない平準化した世界だろう。それは効率的ではあっても人は寄る辺のない不安を感じるに違いない。東京のファッションは、そんな予感を敏感に示しているのかもしれない。

(asahi.com 2015年5月21日)
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